「東京の木=多摩産材で建てた家!」2023/12/10

すっかり冬になってきましたが最近は陽気な日が続いています。もう今年も数えるばかりになってきました。

 

 

武蔵野市に竣工した一戸建て住宅より 東京の木=多摩産材で建てた家をご紹介。弊社で設計させて頂く住宅や木造施設でも、国産材を使う事がしばしばです!

 

無垢の木に慣れた施工者に建ててもらうのが前提ですが、国産材の場合は色々補助金も出ているので合わせご提案させて頂いています

 

この武蔵野の家は、1階に賃貸部分、外階段で上がった2階がオーナー4人家族の住まいです。私どもは機能的でバランスが良く光や風などの自然エネルギーを十分に取り入れられる住まいを目指して設計しております。この家は天井を貼らず屋根の構造材を現しにした開放的な1室ワンルームの木造住宅

 

 

子ども室の様子より

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2015年には雑誌の撮影に協力して頂きました、竣工したときはまだ2歳くらいだったMちゃんももう小学生!月日がたったのを痛感します。Mちゃんの夏休みの宿題「お仕事見学」では弊社(建築設計事務所)をご案内しました!当時は設計に興味があるということでぜひ将来建築士になってほしい~

 

 

 

この家は「東京の木で建てる」ということがテーマのひとつでした。東京の木=「多摩産材」という意味で東京都内の多摩地域で生育し、生産された木材を一般的に「多摩産材」と呼びます

日本は国土のおよそ3分の2が森林で覆われ、木材資源が豊富な国にもかかわらず、日本で使われている木材のうち、約70%が外国からの輸入材となっている。近年の住宅作りは輸入集成材が多く、地元の木で建てる家づくりはめっきり減っている・・

1960年には国産材の木材自給率は86.7%だったのだが、以後は値段の安い外国産木材が増えていき、2000年には自給率は18.2%まで落ち込んだ。そこでこのままでは森が死んでしまうと「木材利用ポイント」事業など林野庁の政策もあり2016年の日本の木材自給率は34.8%までにのびてきた。国や自治体が呼びかけているのが木材の地産地消。地元で育った地域木材(地域材)をどんどん活用しようというものでこの吉祥寺の家は「多摩産材」をなるべく使って建てました!!

 

 

「多摩産材」を実際に加工している作場に行ってきました!

 

■伐採・集材
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前日ちらっと雪が降った東京はあきる野、広徳寺奥の伐採場にて
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まずは伐採現場へ、事前に予約する多摩産材見学ツアーではなく、たまたま近くの現場ついでだったため、伐採現場も概ねの場所を教えて頂き近くまで車&山歩きでたどり着きました・・(ツアーを利用された方が効率的に見学できます)

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途中伐採及び木材搬出看板を横目に山を奥へ奥へ・・

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多摩杉の様子

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山道を更に奥へ奥へ・・

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スピーカーから作業の放送が鳴り響き、カラカラ・・・ワイヤーにつるされた多摩杉が運ばれていく伐採現場を確認!!

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実際の伐採の様子

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集材

 

■競り市
伐採された木材は集材の後、市場へ、競が行われる多摩木材センター協同組合へ

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競りの様子

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前日競りが開催されたばかりとあって、多くの材木が並んでいる 多摩産材はあきる野、桧原、五日市、奥多摩、青梅などの伐採場から集められた材木をここに集め競りをして各材木店へと運ばれる。

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私共の設計では新築物件に関わらず、リフォーム物件でも構造材や床材などに無垢の県産材を利用する設計が多くこれまでも多く採用してきました、ただ、多摩産材の場合は現在の社会背景もあり、木材が安くなりすぎてしまい、現状の杉を切り出しても、育林していくコストを補うことが難しい現状であるとききました。
それ以外にも、国産杉の消費について今後大いに不安であること、林業と言う産業を続ける上での民間企業の置かれた様々な現状、微力だけれど一人の設計者としてできること・・など考えさせられることが多かった

 

■競り落とした材木は材木加工場へ(協力:中嶋材木店)

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■製材
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1本の丸太を柱や間柱、垂木材などに製材していく機械を見学・・

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突然の見学にもかかわらず実際に製材機械を動かしてくれまして、丸太が柱になる様子を間近で体験!

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向こうから丸太1本が手前に流れてきまして 途中にある電動のこででどんどん製材していく・・

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製材中、木の粉が舞って目をやられました・・

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泣いてる子どもは放っておいて、板材、角材とあっという間に丸太が製材されていく・・

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この後、乾燥(無垢材は乾燥が命!)修正挽き 、含水率チェック、強度検査を経て現場に運び込まれていく・・

 

 

たっぷり多摩産材を見学した後、あきる野の「瀬音の湯」へ
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この施設そのものが多摩産材をふんだんに使った施設で官民が協力してつくった温泉施設。更に多摩杉に囲われ渓谷の様子もみえる露天風呂があります・・この日の疲れを癒すには最適!
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足湯もあります!

瀬音の湯の心臓部にあたるボイラー室。実はここにも多摩産材が活躍しておりまして・・
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この温泉は源泉温度が27.2℃と低い為、加温させる必要があります。通常この様なボイラー施設は重油などを使用しますが、『瀬音の湯』では近隣の製材所などから出る残材(木質バイオマス)を燃料として活用しているとのこと!こんなところにも残材が利用されているのだと関心!

 

 

「吉祥寺の家」以降いくつも多摩産材など国産材を使わせていただいてますが、まだまだ地域木材の活用、普及は進んでいないと思います。近年学校や役所、保育園など公共建築も木造建築(木質化)も増えてきており更なる地域木材の活用を通して森林を元気にしていくことが重要だと思います。

 

地元吉祥寺近郊での設計活動集、一軒一軒コツコツと!

 

 

 

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