グッドデザイン賞受賞!! 古民家再生「五葉松の家」

場所 東京都東久留米市
用途 一戸建ての住宅
構造 木造2階建て
敷地面積 221㎡ 66坪
延べ面積 156㎡ 47坪
竣工 2001年(1期)、2006年(2期)、2019年(3期)
施工 三村工務店(1期,2期) 木村工務店(3期)
特徴

時を紡ぐ「五葉松の家」

事の始まりは、友人で、暮らしのコーディネーターをしている前山美登里さんからの電話だった。「気に入った土地があり、家を買い換えたいと思っているので敷地を見てほしい」それは、「更地ではなく樹木の多い中に、古い民家が建っているのです」と。

この敷地には50年前、東京・巣鴨から移築された築80年の2階建ての古民家が、五葉松や銀杏の巨木等の豊かな緑に囲まれて佇んでいた。

建て主の希望は、古民家の2階部分(和室、広縁、書院)を残して、使われていた資材を最大限再利用をし、古民家の佇まいを残しながら現代の住空間として再び甦らせて欲しいとの事。

新と旧の対比、北東庭を取り込む「ガラスボックス」の提案

ガラスボックスの大きさは2.8m×4.5mの2階建ての吹き抜けで、玄関と螺旋階段の機能とギャラリーの要素も併せ持つ、この家の中心を成す。

上記のアイソメ図より、車のあるアプローチからは、ガラスボックスの先に樹木が透けて見える。緑を感じながら進むと北東庭に入り、味わいのある古民家と巨木が時間の流れを感じさせ、廻り込んだ動線ポーチ・玄関にたどり着く。

室内からはガラスを通して常に四季の移ろいを感じさせ、モダンな壁には古民家の丸窓と古材の柱、梁などが時空を超えて共存する

どうしても残したかったもの・・

既存部分の廊下には波打つ板ガラス、組子障子の付け書院、絹本(けんぽん)のふすまには七宝の引き手。凝縮された手仕事の美があるからこそ、深い趣が生まれる。

「古くて良いものは、もう二度と手に入りません。だから、できる限り残そうと努めました。昔の人の温かな手仕事に触れながら、ガラス戸のわずかな隙間から舞い込んだ葉一枚にも、心癒される日々です(前山美登里さん)」

既存の和室の床の間には新たに「穴」をあけました!

すぐ外の八重桜が取り込まれた一幅の掛け軸に! 春にはお茶の席を設けてます

再利用したもの、転用したもの

取り壊した1階の軒丸太は埋木(うめき)をして強度を確かめてダイニングの柱に。古家の階段の板材はベンチの座面に転用、床板を使った室内ドア、すべて古材で設えた水屋など。取り壊した部分から屋根瓦を使って外構デザインも。

コンロを取り囲むアイランド型キッチン

白いタイルのトップ、テラコッタの床、無垢板の扉のオーダーキッチン。キッチンスペースの中心にはガスコンロにオーブン、殺菌灯付きの乾燥庫等が組み込まれ、カウンターテーブルはサブテーブルの役割も果たす。スライド棚もあります。

一般的にはアイランド側にシンクでは・・?思われるかもですが このカウンタでの食事の時に洗い物が目に入るのはどうかな、と。現代の囲炉裏ではないですが、コンロ(火)が真ん中だと不思議と火の方へ家族が集まる効果も。

タイルトップと相性の良い、ロジェールのコンロをビルトイン。テーブルの下にスライド棚。ふだんはカトラリーなどを収納。 キッチン制作 エス・エス・アイ

懐かしき「昭和」の気配

もともとあった丸窓は残して インテリアの一部に。

玄関脇の桐箪笥は下駄箱として使用。積まれた小箱は「富山の置き薬」の箱だとか、薬を置いているのではなく印鑑や小物を収めているようで微笑ましいです

最後にこの家の雑誌紹介、受賞歴など

■掲載
「別冊太陽 古民家再生術」平凡社(2001年11月)
「日経アーキテクチャー No.715」日経BP社(2002年4月1日号)
「海外ブランドキッチン&雑貨」立風書房(2002年10月)
「モダンリビング No.145」アシェット婦人画報社(2002年11月)
「グッドデザインアワードイヤーブック2002-2003」
「住宅建築6月号」建築資料研究社(2003年6月)
「辰巳琢郎のリフォーム夢家族」講談社(2003年9月)
「古民家スタイルNO.1」ワールドフォトプレス(2003年11月)
「美しい部屋別冊」主婦と生活社(2004年1月)
「和楽2月号」小学館(2004年2月)
「やっぱり和風が好き」パッチワーク通信(2004年7月)
「My home+(マイホームプラス)冬号」エクスナレッジ(2004年12月)
「美しい部屋」NO.63 主婦と生活社(2005年3月)
「LEE」6月号 集英社「LEE」(2005年5月)
「CONFORT NO.94 2月」建築資料研究社(2007年2月)
「大人の上質インテリア」エクスナレッジ(2007年3月)


■受賞歴:
・第6回TEPCO「快適住宅コンテスト」入賞
・第3回「大地に還る住宅」サスティナブル・ハウジング優秀賞
・第5回「木材活用コンクール・住宅部門」日本木材青壮年団体連合会会長賞受賞
・第19回住まいのリフォームコンクール総合部門優秀賞
・2002年グッドデザイン賞受賞など


2019年夏には石貼りの浴室も完成、この家は新と旧が融合しながらまだまだ時を紡いでゆく

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